今夜あなたをまつり縫い

31歳独身女のただの日記。仕事は縫製工場です。手先の器用さに自信あり

見ず知らずの人のほんのちょっとのやさしさに涙が出た

仕事の帰りにスーパーに寄った。
スーパーに寄った時には、すでに18時を回っていた。

私はこの時間が好きだ。なぜなら、商品の値下げシールが張られる時間でもあるから。

店内に入った時、商品棚に向かってシールを打ち出している店員が見えた。私は今日は何を食べようか。どんなものが値下げになっているのかが気になり、一目散に歩いて店員に向かっていった。

おそらく前をよく見ていなかったと思う。私の目に映っていたのは店員だけだから。

そのため、私は左側にあるダンボールに気が付かなかった。
いや、もしかすると無意識に気が付いてよけたつもりが、よけるほどの距離感がなくてバックが当たってしまったのかもしれない。

気が付いた時には、ダンボールが倒れ、その中にあるキャベツの葉っぱが床に散らばっていた。

あー何てこと!

そう思って、しゃがんでキャベツの葉っぱを拾い始めたら、なんと近くにいたおばちゃんが一緒に拾ってくれた。
そのおばちゃんは、ひとりごとのように「大丈夫、大丈夫」と言いながら。

私の方を見るでもなく、誰かに言うでもなく、ただつぶやいていた。

それを聞いて、なんだか温かい気持ちになった。

私が値下げ品獲得に欲が出て、ぶつかってしまった出来事なのに。おばちゃんは優しく手伝ってくれた。そしてある程度拾ったら、黙って去って行った。

そのあと、値下げ品のシールを貼った店員が私の方に向かってきて、「早く!今日もいろいろありますよ」って教えてくれた。

こんなアクシデントもありながら、私は値下げ品を吟味して、今晩の夕飯を手に入れることができた。

見ず知らずの人に助けられて、ちょっとやさしさで心が温かくなった日だった。
いつもの夕飯だったけど、ちょっとだけやさしさで美味しい味がした。